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2007年04月02日

テキサス・チェーンソー ビギニング

永らくDVDが廃盤だったこともあり、その鑑賞の機会が少ないことからも伝説的な存在となっていた、「悪魔のいけにえ」
その現代的リメイクである「テキサスチェーンソー」は、
『まぁ、結構頑張った方じゃない?』
って感じで、一応、及第点をあげられる作品でした。
TCMB.jpg
テキサス・チェーンソービギニング(原題:THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE THE BEGINNING)
さて、本作は「ビギニング」ですから、当然前日譚なわけです。
前作「テキチェン」で健在な殺人一家ヒューイット家の面々は、当然本作で死ぬことなどありえず、オチは決まっているも同然。
そこで、どうやって観客を楽しませるのか、どんな手法を選んだのかが、るしはの観る前の焦点でした。

あ、そうそう、あちこちで『とにかくグロい』と聞き及んでいたので、そこらへんにもドキドキしつつ、及び腰での鑑賞となったわけですが・・・

※以下、ネタバレ及びバレ画像あり!

まず、話題のグロ描写について。

るしはは全然大丈夫でした。

これには自分でも吃驚でしたが、「痛そう」なシチュエーションが皆無だったんですよね。

つくづく思ったのは、るしはが苦手なのは、痛そうなシチュエーション演出演技なんだと、再認識。
単なる直接描写は、どうやら平気みたいです。
よく考えれば、学生時代はご飯食べながら「死霊のはらわた」や「ブレインデッド」観てたんですもんね・・・そりゃ単なるグロ描写に耐性あるはずです。
るしは的には、まだ「ソウ」シリーズや「エクソシスト」の脊髄注射シーンの方が、正視に耐えないかな。
同じシリーズで比較するなら、前作「テキチェン」のフックの刑の方が、何倍も痛く感じました。

あと、この映画、全っ然怖くありません(^_^;)
「テキチェン」はもうちょい怖かったんですけどね〜。
怖がりるしはが、一度も物陰に隠れずに鑑賞完了してしまいました。
だって、この映画、観てみて吃驚!





なんと、理不尽系コントでした(゜Д゜)

邦題は「ホイトだよ!全員集合!!」でよかったんじゃないでしょうか?
(あ、コレって前に映画秘宝で使われてたっけ?)
とにかく、ホイト、というかヒューイット家の面々のシーンは、ほとんど打ち切り直前の「8時だよ!全員集合!!」のコント状態です。
冒頭のホイト(正確にはまだホイトじゃないけどw)の台詞一発目からして、アレですからね!
・・・アレ・・・笑うところダヨネ?(*'-')

TCMB_inakaoyaji.jpg
ちなみに、保安官無断就任前のニートなチャーリー氏。

TCMB_kayui.jpg
コスプレ中。(下はパンツ。せくしー?)

そして、チャーリーがホイト(保安官コスプレ)と化してからが、また凄い。
TCMB_imahahoito.jpg
「母さん、もうチャーリーじゃない。今はホイトだ、ホイト保安官!」
と、とにかく周りにおかまいなしのハイで俺俺主義なその振る舞いは、まるでタチの悪い横見浩彦(@鉄子の旅)!
そして、その後も吹き荒れるホイト語録の嵐!
なにこのキャラの立ちっぷりは(笑)
(これを大塚周夫氏の吹替え版で聞くと、さらにお笑い度がUPw)

さらに、彼らが殺人鬼一家になった理由がまた、泣かせる(つд・)

「リストラ」です!「過疎」です!「貧乏」です!
日々の糧にさえ困る彼らにはもう、

余所者を殺して食材にするしか生きる術がないのです!

・・・って、テキサスってそんなにしょっちゅう余所者が来るの?

まぁ、冗談はさておき、結論から言います。

るしはは、前作「テキチェン」よりコッチのが好き!( ̄Д ̄)/

ああ、言っちゃった〜。
ええ、勿論、少数派なのは自覚してます。
ああっ、そこで引かないで〜っ!
ひとつ、その理由を聞いてやってください。

とにかく執拗なまでのヒューイット家の描写の充実、コレに尽きます。
最近のお気に入り殺人(食人)一家だと、「THE HILLS HAVE EYES」のフリークス一家がありますが、彼らに対する唯一の不満が、「生活感」でした。
特に、食生活の部分ですね。

前作「テキチェン」でも一家の様子はかなり描かれていましたが、原典「いけにえ」であった象徴的な晩餐シーンのカットをはじめ、食生活の部分が抜けてたんですよね。
それが、今回はバッチリ!
晩餐のシーンの狂いっぷりは原典には遠く及びませんが、その理由や調理の様子(バイカーのタン!)が覗えたのは大きいです。

それに、何故、殺すのかも。
「テキチェン」だと、単に「レザーフェイスの趣味」みたいな感じでしたから。(う〜ん、ちょっとうろ覚えです)
本作では、それが明確に食料の調達として描かれていたので、なるほどな〜って、感じです。

そして、ホイトによる大胆な主食材料の変更に、最初は嫌悪感を表わすものの、結局馴染んじゃってる家族が凄い。
ってか、怖い(^_^;)

「常識が通じない」

これこそヒックスプロイテーション(ド田舎怖ぇー)の醍醐味です。

それに、展開が超早いのもイイ。
今回の犠牲者達は、ホントのアッという間につかまります。
メイン犠牲者の数が絞られてるのも良いですね。
そして、以降はホイト節・全・開!!( ̄Д ̄)/
これはカテゴリ【拷問系】でもいいかな?ってぐらいに大活躍!
罵詈雑言!
サランラップ!
腕立て伏せ!
セクハラ!

いやホント、虫唾が走るほど嫌な南部のオヤジを、当然前作に引き続きR・リー・アーメイが怪演・・・というか、ほんとに、コント状態です。
「叔父さん、多分嫌がると思うから」
・・・って嫌に決まってるジャン!
しかし、あのシーンはなんでチェーンソーなのか、わけわからない!
え〜?なんで〜?とか思ってるうちにギャギャギャギャギャギャ
TCMB_barans.jpg
結局理由は「バランスだよ」
・・・一発ネタのために・・・モンティ叔父さん可哀想すぎ(^_^;)

さて、前述のグロ描写。
確かに痛くはないですが、凄かった
直接描写のオンパレード!
(さすがに画像UPは自粛デス)
特に、チェーンソー描写には、なんか執念すら感じます。
「テキチェン」ではほとんどチェーンソーブッタ切りの直接描写はなかったのにもかかわらず、本作は切株表現の嵐です。
特殊撮影技術の進歩は素晴らしいですね・・・
特に、
トミーがチェーンソーに、開・眼!!

してからは、映画史上ありえないほどの、チェーンソー殺戮祭りのはじまりです!
それ以降、犠牲者はもれなくチェーンソーで殺されます。
これを上回るのは「ブレインデッド」の電動草刈機くらいじゃないでしょうか?


ただね、この映画には殺人鬼映画が一般ウケするための大事な要素が、決定的に欠けているんです。それは

『カタルシス』

犠牲者が反撃に出て、殺人鬼を倒す(あるいは逃げ延びる)のが、このジャンルの映画の最大のカタルシスですよね?

前述の、本作の前日譚という設定のため、殺人鬼撃退のカタルシスはありえないわけですが・・・
製作者は、犠牲者が生還するカタルシスすら、はなっから放棄しています。
それは、序盤のトミーが精肉工場の監督を殺害した直後のシーンでもう明らか。
TCMB_hamono.jpg
トミーの視線が様々な凶器から凶器へと移り、ついに、チェーンソーの上で止まった時の、チェーンソーに寄るキャメラ!
TCMB_bokunobuki.jpg
思わず、BFG(ビッグ・ファッキング・ガン)を見つけた時のロック様のニヤケ顔(@『DOOM』)を思い出してしまいましたw
ああ、男って、ホント「武器」が好きですよね!
(こういうのを、男根主義っていうのかな?)
TCMB_aisyuunosenaka.jpg
そして、武器を手に家路に着くトミー・・・カッコヨス

この作品はつまり、真正面から殺人鬼一家を主人公にした、悪意あるダークヒーロー映画なんですよ。
犠牲者側の逆襲が痛快すぎる「THE HILLS HAVE EYES」とは、まさに真逆の位置にある映画と言えるでしょう。
登場人物を絞ったのも、彼らをいたぶる一家をじっくり描くためとしか思えません。
この手の映画の定番、犠牲者の逆襲も、ホイトがたこ殴りにされるぐらい。
そこもある意味ギャグだし・・・
って、よく考えたら、モンティ叔父さんの被弾シーンも、ティーレディのシーンも、みんなギャグだよね(^_^;)

ただ、所謂一般層を考慮して、製作者はもうちょいスラップスティック寄りの作風にするべきじゃなかったのかな。
ヒューイット家のキャラは立ってたとはいえ、まだこれでは、

単にグロいだけでカタルシスが全然ないホラー映画

と、評価されても仕方ないでしょう。
もうちょい「これはお笑いなんですよ」とハッキリ宣言するような作りにした方が良かったんじゃないかな。
まーでも、あんまりハッチャケすぎると「いけにえ2」の二番煎じと言われかねないか・・・
さじ加減が難しいですね、続編って。

最後に、ルナマリア・ホークがチェーンソーでぶっ殺されるトコロが観たい!という、歪んだ種デスファンも必見ですよ!
・・・そんなガンダムファンはいないかw
いや、単に一応主演のジョルダーナ・ブリュースター(久しぶり!個人的に『パラサイト』以来かな)の吹替えを、坂本真綾がやってるってだけなんですけどね(^_^;)

あ〜凄っっく気に入っちゃった!もう一回観ようっと!
(人としてヤバイかしら・・・)
posted by るしは at 11:30| Comment(8) | TrackBack(2) | 映画(田舎系ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スゴイですね、るしはさん。
思わず読み耽ってしまいました。
それにこのお写真、どうやって仕入れ、もしくは撮ったんですか??
ワタシ、吹替えで観たのですが、ホイトおじさまは大塚周夫氏だったんですね。確かにおちゃめなホイトおじさまでした。
そうですよね、この映画には「グロ描写」はてんこもりだけども、「カタルシス」がないんですよね。
心の琴線に触れるような。

ああ、本当に「悪魔のいけにえ」が観たいです!!
Posted by ふぉんだ at 2007年04月02日 12:26
自分もビギニング面白かったですが、、
期待とはかなり違ってましたね^^;
14,5歳のトーマスとかが見たかったんですけどねぇw
まぁこのリメイクシリーズはかなり出気がよかったので満足してます。
Posted by takoyan at 2007年04月02日 17:54
>>ふぉんださん
読み耽っていただき感謝感激です。
よくよく見たら、長い記事ですねぇ・・・短い文章で効果的感想書く人が羨ましいです、ホントに(^_^;)

「悪魔のいけにえ」はカタルシスとかそういうのを軽く越えた地平にある作品なので、いや、ホントに楽しみですねぇ、DVD!(≧∇≦)b
Posted by るしは@管理人 at 2007年04月02日 18:04
>>takoyanさん
そうですね〜、少年時代はバッサリカット、でしたからね。
確かに、そこらへんも見てみたかったかも。
私も、このシリーズは(特にビギニングで)かなり満足できましたよ。
このチェーンソー描写を見ると、ギアーズ映画版も期待出来そうですねw
Posted by るしは@管理人 at 2007年04月02日 19:23
入魂の「テキチェンビギニング」レビュー、読ませていただきました。
しかも、プロフィール写真がアーメイ氏に変わってるし!

ラストのトーマスがテキサスの闇の中に消えていくシーン、かっこよくないですか?
Posted by kurosui at 2007年04月02日 21:45
>>kurosuiさん
あ、気づきましたか、プロフィールw
kurosuiさんに対抗して変えてみました!
・・・でも、ずっとホイトはちょっとヤだなぁ(笑)

ああ!言われてみればラストのトーマスに触れてませんでした!言われなきゃ気づかないとこでしたよ。ありがとうございます♪

しかし、ホントにラストもカッコヨイわぁ、トーマス(はあと)
Posted by るしは@管理人 at 2007年04月03日 14:27
るしはさん、こんにちは。

ラストのトーマス、息上がっていませんでしたか?
肩で息していたように見えて、「やっぱあれだけ激務をこなしたら、さすがのレザちんもしんどいよなぁ・・」と一人納得していたアガサです。

でも、暗闇に消え行く姿は、確かに哀愁たっぷりで男前でしたね。
後姿だったからかな・・。

TBさせて頂きますね♪
Posted by アガサ at 2007年04月06日 01:53
>>アガサさん

アガサさんいらっしゃいませ!

確かに、息上がって、肩も落ちてますね。心なしかチェーンソーも重そうなご様子で・・・

あ、そうか。思いついちゃった。
ホイトの台詞どおり「少年が大人になる」話だったんだ!
電ノコはまさにその象徴なわけですね!?

そういう意味では、確かに「ビギニング」なのかもしれません。
アガサさん、私にとって神コメントでした!さすがです!
Posted by るしは@管理人 at 2007年04月06日 14:31
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