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2007年11月17日

ケッチャムで握手

今日は私の勤める書店チェーンの版元懇親会でした。
ようするに出版社を招いての大接待大会。
この懇親会がなければ休みをとれたので、ぶっちゃけ嫌だったんですが、ふと参加出版社名簿を見て目がキラリンぴかぴか(新しい)

「扶桑社」

ようし、「とっととケッチャムの新刊ださんかいワレ」と苛めてやる!
と息巻いて200人近い出版社メンの中を「扶桑社はいねが〜」と彷徨ううちに、発見!

・・・なんと可愛らしいお嬢さんじゃないですか。
むむむ、うら若き女性に「ケッチャムケッチャム」言いながら迫ったらほとんどセクハラじゃないですか。まいった。
仕方なく紳士的に名刺交換などしつつ、
「そもそもこんなおにゃのこがケッチャムなんて扶桑社でもおそらく知る人ぞ知るマイナ作家の名前、いくら自社出版物の作家の名前とはいえ知ってるわけもないな」
と諦めつつ一応は切り出す私。
「実は御社の作家でフェアを組んだら存外に好評でしてね?ジャック・ケッチャムという作家なんですが・・・」

イキナリ私の手をガッチリ握るMさん。

「ありがとうございます!あたし、ケッチャム大好きなんです!」

る「実はトラウマフェアというフェア名前で」
M「うわ!、上手いですね!あたしはキングの帯に惹かれて」

M「ケッチャムは優しい描写がキラリと光るんですよね〜」
る「うんうん。でも、そこに辿り着く前にトラウマ級の罠がw」
M「そうそうww」

M「いつも企画会議でケッチャムの名前あげてるんですけどね」
る「やはり難しいですかケッチャム」
M「翻訳モノ自体が最近はロマンス系が主流で」
る「ん?じゃあ『襲撃者の夜』ってもしかしてMさんのおかげで?」
M「だって『オフシーズン』の続編ですよ!?頑張って推しましたよ!」

その瞬間土下座して「ありがとうございます」と言いたくなりました。

Mさんによると、やはりケッチャムはセールス的には厳しいそうです。
確実にある部数は捌けるので、熱心なファンはいるものの、そのファン層がなかなか広がってくれず、企画も通りにくいのだとか。
もうね、こうなったら売る側が頑張るしかないね!
以前のケッチャム・コーナー常設決定だゴルァ!
Mさん曰く、「テーマ的に女性層への訴求は逆にイケルのでは」とのことなので、そっち方面で責めてみるかな。
そしてジワジワとファン層を拡大し、いつの日か、「She Wakes」とか「Peaceable Kingdom」とか「Une Fille Comme Les Autres」の翻訳をMさんにゴリ押ししともらうのDA☆

つーかあまりに感動的な偶然に、思わず求婚するとこでした(笑)

他には東京創元社さんと歓談。
知ってる男性営業だったので遠慮なく「アレ翻訳して!」「無理><」とか楽しく語らう。
残念だったのは早川書房が今回欠席だったこと。
「ウォーレン・マーフィー再刊しろやー」と無理を言いたかったのにな〜。
早川にしろ創元にしろ、翻訳本は絶版になるスピードが速いのが困り者。(そんだけ翻訳モノは売れないわけです)
そんな中で「あんま売れない」というケッチャムの在庫をしっかり抱える扶桑社は素敵だ。

疲れて脚と背中が石化するところだったけど、実に有意義な懇親会でありました。
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ところで、「隣の家の少女」の映画化作品
girlnextdoor.jpg
「The Girl Next Door」は北米でも劇場公開されずDVDスルーなんだそうです。
発売日は12月4日。おそらく日本語化されないと思うので、輸入版に手を出すか思案中。
アガサさんちの「隣の家の少女」感想のリンク先にある予告編を見る限りでは地雷臭がしたのですが、海外では結構評判がいいんだとか。

ケッチャム・フォロワーを自認する私としては、ここは勇気を持って英断すべきかな。
つーか、良く見たら予告編冒頭で過去を回想するデイヴィッド、演じるは「ダイハード」のソーンバーグじゃないの!
posted by るしは at 00:00| Comment(14) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしいです! こういう人がいる限り翻訳モノのおもしろ小説を読めなくなる日は来ないでしょう。

扶桑社といえばトンプスン翻訳に尽力された三川基好さんがお亡くなりになり、とてもショックです。
その辺の話題、出ましたか?
トンプスンをどんどん文庫に落として欲しいですね。るしはさんからもぜひ!

あと、るしはさんマーフィーお好きだったんですね! 意外です。あんな頭のおかしいクソくだらない小説もイケるとは。
トレースものは古本屋数十件回って揃えられましたが、その他の作品は1冊たりとも見つけられませんでした。
『錬金術士の魔砲』 といい、ハヤカワさんはもっとやるべき仕事をちゃんとやるべきですよね?

蛇足:『トリポッド』 はまだ絶版じゃないみたいですよ〜
Posted by あぷろん at 2007年11月17日 11:52
>>あぷろんさん
ホント、こういう方がいらっしゃるのは心強いかぎりですね!

トンプソンの話題は残念ながら出ませんでした。もう延々ケッチャム談義に花を咲かせるだけでありました^^;

マーフィーは実は未読!
あぷろんさんのトレースものの感想読んで読みたくなった→でも絶版><だったのですw
まぁ早川にはもっと頑張って欲しいとこですが、なにぶん売れない翻訳モノ。あまり無理をさせると下手すりゃ潰れかねないので、難しいですねぇ・・・
(絶版にせず在庫を抱える=倉庫代や税金がかかりますからね・・・)

「トリポッド」はバッチリ注文済みですぜ!
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月17日 12:08
扶桑社の担当の方に私も土下座して
御礼を申し上げたいです。
翻訳ものではロマンスが主流という内幕に
がっかり、ロマンスはさぶ疣が出る!
ケッチャム御大は女性にこそ訴えかける
ものがあるというご意見に大賛成。
救いがたい鬼畜野郎を描いていても作者
はその対極にある優しく純粋な魂の
持ち主だと分かるから。
何より活字だけで読者は口の中に汚物を感じ、皮膚に刃物を感じるんですから。
「残虐描写のエスカレート」や「不幸の
連打」をやりすぎると却って「笑い」を
とってしまうのですが、ケッチャム様に
限ってそんなことはない。読者に「すれる」ことを許さない稀有な文章力です。
Posted by 奈良の亀母 at 2007年11月17日 20:23
>>奈良の亀母さん
いや〜、亀母さんのこの一文もまた上手い。
ケッチャムを見事に言い当ててますよ。
ちょっとこれMさんにお見せしてもいいですか?本人も絶対喜ぶと思いますよ!
しかしホント上手い・・・亀母さんがブログとか始めたら凄いことになりそうな!
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月18日 09:57
昨日、「隣少女」「ロードキラー」を立ち読みして、立ちくらみしてきたkurosuiです。
こ、今度こそ買うんだからね!

るしはさんのような本屋さんが増えて「本当に読みたい本」についての生の声を版元に伝えてくれたら嬉しいですねぇ。
携帯小説やロマンスもいいかもしれないけど、そればかりじゃ悲しい。

亀母さんのケッチャム評、引き込まれてしまいました。
亀母さんのブログ、読み甲斐がありそうですね。
(横レスすみません)
Posted by kurosui at 2007年11月18日 11:26
過分なお褒めの言葉を頂き
ありがとうございます。
こんなので宜しければM様に
お見せして御礼申し上げて下さいませ。
でもホント、ケッチャム御大だけなんですよ、みぞおちに痛みを感じ口に胃液の味
を感じているのに、ページをめくる手が
止まらないのは。ジョン・ソールでも
「殺人鬼」「殺人鬼U」「獣儀式」でも
残虐描写のインフレで慣れてくるんです。
大石圭はイヤーな気持ちになるだけだし。
平山夢明はリリカルで式貴士や筒井康隆
に近いような。短編主体の人だし。
Posted by 奈良の亀母 at 2007年11月18日 12:40
るしはさん、求婚しちゃいなyo!(笑)
もうそれは運命ですよ。
私だったら確実に電話orメアドげとしちゃいますね!

まぁそれはさておき、皆さんのコメントを拝見していると、どの方も読書好きなんだなぁ・・と感心しきり。
私も「バイオ」のおさらいが終わったので、「オフシーズン」からケッチャム再スタートしようかな・・。
るしはさん、他の作家さんでもお薦め作品がありましたら、是非ご教示下さい!
Posted by アガサ at 2007年11月18日 23:39
るしは様

 Mさんによろしくお伝え下さい。って、突然失礼きわまりない大阪おばちゃんになってしまいました。懇親会なんてあるんですねぇ。初めて知りましたよ〜。これからもるしはさんの力を持ってしてぜひ翻訳物の充実をお願いします!
 「襲撃」の次は「箱女」をポチッと予約してきました。
Posted by フレコ at 2007年11月19日 20:54
>>kurosuiさん
ケッチャムネタでツンデレ口調って新しいなぁw
亀母さんの仰る通り、
「酷い!けどページ捲る指が止まらない><」
そんな恐るべき作家なので、万全の体調で計画的にお読みくださいね!
冗談抜きでかなりキますので・・・
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月20日 00:34
>>奈良の亀母さん
いえいえ、お世辞でなく見事にケッチャムを言い当てていて感動しました。
私はどちらかというと下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的に「効果の少ない言葉を重ねてなんとか説得力を持たせようとする」タイプなので、簡潔に物事を言い表せる才能にはホント憧れます。

Mさんに再会した暁には亀母さんのコメントを梃子にしてケッチャム新刊刊行を迫るとしますよ!
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月20日 00:42
>>アガサさん
ようし、明日早速プロポーズを!って、しませんからwww

しかし、ホント皆さんかなり読まれてますね。
さすがホラー好きなだけあって、かつて書店業界でも一時期ブームだった「モダンホラー」の洗礼をしっかり受けてるんですね〜。
世代がある程度近いというのも大きいのかな?w

で、他のオススメなのですが、私かなりの偏食でして・・・
(なのにケッチャムネタにこれだけの反応をいただいていることに吃驚ですよ)
あと、かなり絶版率が高いのも薦め辛いんですよね・・・orz
ま、おいおいブログで取り上げたりすると思いますので、興味がわいたら読んでやってくださいませ!
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月20日 00:59
>>フレコさん
いや〜、もうホントに「微力ながら」という感じで頑張ろうと思います。
ホント・・・微力ですが^^;

「襲撃」→「箱女」ですか!
どちらも、生え抜きのケッチャム・ファンには賛否両論ある作品なので、フレコさんの感想楽しみですよ!

フレコさんもブログやればいいのにー。
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月20日 01:04
フラグ立ってるじゃん求婚しろよ!!w

それはともかく、翻訳物の主力ってロマンスなのか、ミステリーかと思ってた。
自分の中の扶桑社はオカルトとホラーしかないんだがなぁ。ポール・ウィススンをいっぱい出してくれてありがたかった。

セールス的にきついのは理解できるが、話が続いているのにやめるのは反則ですよね。あ、角川と早川の事です。
Posted by mizuti at 2007年11月23日 19:33
>>mizutiさん
うむ、最近はロマンス系ミステリが増えてきてる。
あの頃のマキャモンとか軒並み絶版だぜ。
(『スティンガー』や『奴らは渇いている』手放さなきゃよかった・・・><)

角川、早川だけでなく、途中頓挫は結構増えてきてる。
最近だと創元の復刊コナン全集が4巻で><(全6巻予定だった)

まぁ、それだけ売れてないからなんだけどね・・・
翻訳モノは気合を入れて売らねばと肝に銘じたよ。
Posted by るしは@管理人 at 2007年11月23日 23:54
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